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バッハ:フーガの技法

グールド(グレン)
おすすめ度:★★★★★
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グールドによるバッハ・フーガの技法の決定版
おすすめ度 ★★★★★

グールドによるバッハ・フーガの技法のCDは、オルガン演奏30分だけ収録したもの、何故かインヴェンションとシンフォニアを組み合わせたもの等が発売されているが、私はこの1997年発売の本作が決定版だと思う。コントラプンクトゥス第1番〜第9番が有名なグールド唯一のオルガン演奏約31分で、私は「怪演」などではなく、ピアノが本職のグールドらしさを感じさせつつも堂々とした名演だと思う。そして、本作を決定版と私が考えるのは、ピアノ演奏も収録されていること。即ち、コントラプンクトゥス第1、2、4番、正規音源による初発売となる同第9、11、13番、そして未完の同第14番のピアノ演奏であり、合計30分を超す。このうち、モノーラル録音は9、11、13番だけ。第1番等はオルガン演奏とピアノ演奏の比較に感興をそそられるし、何と言っても未完の第14番でピアノ演奏が止まる瞬間が時空の深淵をのぞくようで壮絶です。この瞬間の後にBACHの名によるプレリュードとフーガ変ロ長調BWV898(初発売)約5分が収録されているが、この曲はない方が、余韻があって良かったのではと思う。ジャケットもグールドがオルガンを弾いている写真の方が私は好きだ。そのような点を差し引いても本作は星5個に値する名盤である。



グールドファン以外には不要かも
おすすめ度 ★★★☆☆

1〜9は、グールド唯一のオルガン演奏ということに価値がある。
この録音で、オルガンを集中的に弾いたことで、腕や肩の調子がしばらく悪化したエピソードも、グールド史では重要。
だから「もうオルガンは弾かない」と。
(よって「フーガの技法」の後半の曲は、録音されなかった)

音響面で、マイク位置のせいか位相の干渉が出ており、楽器そのものが狂っているように聴こえるのは問題。
とはいえ、シビアにならなければ問題ない程度。まあ神経質で絶対音感の持ち主なら問題あるかも。

演奏については、やはり打鍵(打弦)の愉悦あってこそのグールド節だと私は思う。
オルガン演奏は単なる思い付きの域を出てないように感じるし、いろいろ工夫してるのは解るけれど、取り立てて面白くもない。

10〜12、16は、グールド最晩年に撮影された、モンサンジョンとの一連のTV番組『BACH SERIES』から採られたステレオ音源。
元番組(=全3回のうち『THE QUESTION OF INSTRUMENT』と『AN ART OF FUGUE』)が一向にDVD化される気配がないため
(※2008年6月現在/ゴールドベルクの回だけDVD化されている)、
我が家では大変重宝しています。
しかし、伴映像を意図した演奏であるから、当CDへの転用はグールドの意志にそぐわないのでは?
なお、1838年出版のツェルニー校訂譜に基づく演奏のため、未完のフーガは手稿譜よりも6小節早い箇所で中断している。

あ。グールドの突然の死と関連付けるのは聴く者の自由ですけれど、
「未完フーガ執筆中に大バッハ突然に他界!!」ってのは、嘘である可能性が大だと判明しています。
楽譜出版と連動した話題作り?

大作曲家の曲に付き物の、「神話」のひとつくらいに思っておきましょう。
それ以前に、未完フーガは『フーガの技法』用の曲ではないという説もありますしね♪



グールド初心者が一言、「なーんだ、怪演じゃないじゃん。」
おすすめ度 ★★★★★

みなさんのレビューには、変わった録音をしている怪演と書かれているので、どれほど奇妙なのだろう?とおそるおそる購入してみましたが、素晴らしいじゃないですか。たしかに通常よりもデッドな響きですが、ダンパー踏みっぱなしのような長い残響音をグールドは嫌がったでしょうし、私にはむしろオルガンらしい音と感じました。
オルガンとピアノを聴き比べると実に面白いですね。他の作品を聴いてグールドのフレージングに慣れているためか、ピアノのほうが声部の分離が解りやすかったりします。
16曲目の、バッハ絶筆のフーガはまさに名演。不自然な形にぱたりと終わってしまうラストにドキッ!とさせられ、何度聴いても涙がこみ上げそうになります。



音の海から浮かび上がるもの。
おすすめ度 ★★★★★

本当にバッハが好きなら、ぜひ聞いて欲しい名盤です。

バッハにはメロディメーカーの側面もありますが、
「フーガの技法」はあくまで変奏を前提にした主題がベース。
それは理知的に組み上げられた音楽であり、研究者によっては
楽曲の構造や構成が旧約聖書の「詩篇」になぞらえられているともいいます。

そういう次第でかなり小難しく、旋律美を望めない曲にもかかわらず、
グールドの演奏はそこにとめどない生命力を与えており、
聴き始めると終わりまで聴かずにはいられません。

とどのつまり音楽は音高の上下とハーモニーと間合いだけで
人を感動させるにすぎないのだとすれば、
その単純かつ貴重な経験をさせてくれるのが、このCDです。

ちょっと聴くだけでは、ひたすらノン・レガートで
ブッキラボーに弾いているだけのようなグールドですが、
この人はただの言葉を詩に変える詩人の魔法に似たものを持った、
稀有な演奏家だと思います。

オルガン版、ピアノ版とも、何度でも聴きたくなる名演中の名演。
人によってツボは違うと思いますが、無数の音の中から浮かび上がり、
自然と心に染み込んでくるポイントをきっと見つけられるはず。



何十回も聞いてしまいました。
おすすめ度 ★★★★★

ついに買いました!やっぱめちゃいいです。
2番がお気に入りです。どっちもいいけどオルガンの方が好きかな。
麻薬のようにやめられなくなりました〜!



すばらしい
おすすめ度 ★★★★★

大変良く出来ています 。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
買って良かったと思います。



概要
「鮮やかな色彩を避け、代わりに薄い灰色が無限に続く。…私は灰色が好きだ」。バッハが最晩年に、時代の流行すべてに背を向けて書いた「フーガの技法」についてグールドが述べた言葉である。

もっとも禁欲的で厳粛な、荒涼とした音楽。バッハの死の直前のこの傑作は、楽器編成が謎とされてきたため、さまざまな編成で演奏されるようになり、オーケストラで演奏されることさえあった。グールドはオルガンとピアノの2種類で録音を残した。

ディスクの前半9曲はパイプオルガンによるもので、1962年の録音である。きわめて非オルガン的な、奇妙な演奏であって、発売当初から非難の的となったものだ。まずオルガンにはつきものの空間性がまったくない。ミヒャエル・シュテーゲマンのライナーノートによれば、オルガン用の楽譜ではなく、チェルニーがピアノ用に校訂した楽譜に足鍵盤の指定を自分で書き込んだものを使用したという。少なくとも3番、4番、5番は手だけで足は使っていない。足鍵盤の使用は最小限に抑えられ、レガート奏法を徹底的に避け、楽器の送風音(まるで教会の外を行き交う自動車の排気ガスのようにブーンと聴こえる)を目立たせる風変わりなマイクのセッティングを行った。楽器の機械音とはいえ、聴いていて気分が悪くなるようなノイズをわざと拾っているグールドの狙いは何なのか? 聴けば聴くほど不思議な、まるで壊れた手回しオルガンのようにぎこちない味わい。グールドの残した録音中、最も「怪演」のひとつに数えられるものだ。

後半のピアノによる録音は、1967年および、グールド死の前年の1981年に収録されたものだ。すべてのテクスチュアがくっきりと浮かび上がり、闇の中に輝く美音が知的な刺激を撒き散らしながら、均整美の極致へと誘う、空前絶後の名演である。特にバッハ絶筆の第14番(未完のフーガ)が何と言ってもすごい。淡々と、しかし不思議な執念をもって進む厳粛なフーガが、まるで感電したように突然止まる。バッハが絶筆したまさに凍りつくような瞬間。「あらゆる音楽の中でこれほど美しい音楽はない」とグールドが断言する、この究極の12分間だけでも、本ディスクの価値は永遠のものと言えるだろう。(林田直樹)

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