すると今度は我らがアストロ球団は、クソ真面目に対抗するために特訓を始めるわけですが、その特訓方法が今だに語り継がれるほどに壮絶です。(現代の作品なら「マネしないでください」って注意が書かれるのかなあ?)
真知即行おすすめ度
★★★★★
二巻のレビューで「プロデビューの一球目の出来事」と書きましたが、
三球目の出来事でした。お詫びして訂正いたします。
さて、いよいよ「アストロ球団」本編ともいえるビクトリー球団編に突入だ!!
この巻において、「アストロ球団」という作品の真髄が明らかになる。
699ページ(697ページの次の次)をご覧いただきたい。
球六のアンドロメダ大星雲打法を、大門が受け止めるシーンだ。
まず、アンドロメダ大星雲打法がどういう打法かがまるでわからない。
技の名前を叫ぶだけ。
そして大門はそれをどう返すか。「何かしゃべる」のである。
真知は即ち行たる所以なり
行なわざればこれを知というに足りず
未だ知りて行なわざる者あらず
知りて行なわざるは ただ是れ未だ知らざるなり
喝~~~~っ!!
喝~っはともかく、これは大塩平八郎にも影響を与えた、王陽明の言葉である。
漢文調の難しい言葉なので、なんとなく読み飛ばしてしまいそうだが、
ちょっと考えると、このシーンには全然合わない言葉だとわかる。
で、大門は打球を跳ね返す。何故?結局、根性なのか?いや違う。
アストロ球団は、突出した変な場面のみが有名だが、実は「言葉」のマンガである。
「どっちが強いか」は、「どっちが強い言葉か」で表される。
決着のほとんどは、実は言葉の応酬で決まっているのだ。
きわめて論理的なマンガといっていいだろう。
その論理が正しいかどうかはともかく。
地道な論理も積み重ねれば宇宙の果てへ届く。
「突出した変な場面」と「論理の積み重ね」は、実は同じ一本の道でつながっているのだ。
凡百の、単なる変な思いつきを変につないだ変なマンガとは異質な、
まさに創造力の極北を、この三巻で堪能したい。
凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!