闇の歴史おすすめ度
★★★★☆
「帝都物語」の項でも紹介した大塚英志氏原作の「偽・日本史」漫画。
昭和初期の日本がその舞台。
山人(山の民)の末裔にして、元・柳田國男の弟子でもあった兵頭北神。
彼は柳田が葬り去ろうとしていた仮説に興味を示したため、その資料ごと破門される。彼に託されたのは「山人」…まつろわぬ民族、原日本人の資料。それは民俗学が科学となるために、異端として切り捨てなければならなかった闇の部分。
そして彼は密かに「山人」が絡んでいると思われる事件にかかわりあってゆく。
大塚氏は「MADARA」「サイコ」「黒鷺死体宅配便」など多くの漫画原作を手がけている。そしてその根底にあるのは「民俗学」である。なんでも筑波大学で民俗学をやっていたらしい。「柳田國男の孫弟子と言えなくもない」とあとがきにもある。
漫画の編集者、原作者、そして「都市民俗学」の論説者。特に「ロリコン」ものや少女関連のものが多い。今日の「おたく」文化の先導者といえなくもない。
その豊富な「民俗学」の知識は「MADARA」「北神伝綺」「木島日記」にいかんなく発揮されている。
さらにこの漫画で興味深いのは、実在の人物や事件がストーリーに大きく絡んでくることだ。
柳田國男、宮沢賢治、竹久夢二、伊藤晴雨、甘粕正彦、出口王仁三郎、北一輝、平井太郎(江戸川乱歩)…露社事件、坂田山心中、二・二六事件。
知っている人ならば、思わずニヤリとしてしまうだろう。「そうか、この人(事件)をこう使うか」と。
是非ご堪能アレ。
独特の世界観。おすすめ度
★★★★☆
主人公・兵頭北神は、柳田國男が自ら封じた民俗学の暗黒面「邪学」を継承する人物である。柳田國男をはじめとして、宮沢賢治、竹久夢二、伊藤晴雨など、日本の歴史に名を刻んだ人物が登場し、「山人」を巡って話が展開していく。姉妹作品である『木島日記』と同様に、独特の世界観を持っており、不思議な魅力を持った作品である。
ちなみに、この兵頭北神という人物は、『MADARA天使篇』に登場する兵頭沙門の養父である。この作品を見ると、なぜ沙門が狂ってしまったのか解る気がする。
闇の民俗学。おすすめ度
★★★★☆
柳田國男の提唱した「山人」を話の中心として、様々な民俗学の話に触れた作品。
折口信夫や宮沢賢治などの著名人をモデルに話が作られていて、その辺りに興味を持てれば面白いかも。
但し民俗学のコアな部分に触れているため、その辺りに興味がなかったり予備知識を持っていないと置いてきぼりになりそう。
昭和を舞台にした伝奇モノ、と割り切れるならオススメ。
京極夏彦や、甲田学人「Missing」等が好きな自分としては、個人的には好きな話です。
買うしかない!
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。