心に通る声おすすめ度
★★★★☆
前作のポップな感じとはうって変わって、冬向きの曲が並んでいます。
1曲目からすーっと心に通る声、以前より滑らかによりやさしくなったような感じです。
このミニアルバムを通して聞くと随分と心が落ち着きます。
4曲目の「知らない顔」は名曲だと思います。
初期の頃の歌詞や曲に奇を衒った仕掛けは無くなって少し寂しい感じですが、いい方向に進化していると思います。
音譜の筆で描く絵画
おすすめ度 ★★★★☆
通称夏盤の『紫陽花の庭』に続く冬盤が届きました。夏盤はとびっきり明るくてキラキラした音でしたが冬盤は静謐で繊細、外側はひんやりしてますが、その反面内側は温かい。暖炉のある部屋の窓から雪を眺めているような音楽です。彼女の作る唄は一層深遠なる世界観にひたっていますが、やはり、よりポップを意識しています。童謡のような世界観をポップとして提供していこうとしているのでしょう。繊細な眼差しで音譜の筆で描いてゆく絵は、まるでグリムやペロー、アリス等の童話のように、美しく、そして時に残酷です。多感で不安定な危うい少女から大人の女性へと変わってきており、味のある安定した唄を聴かせてくれます。ライブで収録曲の長い冬を聴かせて頂ける機会がありましたが、鳥肌が立ってしまいました。それ程の曲を書くことが出来、尚且つ聴き手を引き込む力を放つ、彼女の表現力は圧巻。ソングライターとしての成長を感じさせる一曲に仕上がっております。他にもCanonのCMで使われたものを英語詩から日本語に直した菅野よう子作曲のものや、CM等で沢山名曲を遺した三木鶏郎の表題曲、ラテンや異国の酒場のような趣きを感じる曲等、ミニアルバムですが、中々豪華です。