very interesting film !おすすめ度
★★★★★
イエースース伝は何度となく映画化されているが、この『偉大な生涯の物語』は原作、映画ともに少年時代に見た想い出深い作品である。
マックス・フォン・シドーという小学生の時に見たベルイマン監督のATG系の佳作『第七の封印』に出ていた俳優がキリスト役に扮し、先年物故したドロシー・マクガイアが母親たるマリアーに、グラマー女優キャロル・ベイカーが十字架の道行きのベロニカに、また当時テレビのスパイ番組『ナポレオン・ソロ』でイリヤ・クリヤキンを演じていたディヴィッド・マッカラムがイスカリオトのユーダース（耶蘇を裏切ったユダ）に扮して話題になった事も、今となっては懐かしい限りである。いわゆる友情出演を含めてオールスター・キャストの大作と言えるものの、それまでのキリスト䡊¼記映画と違って古代ユダヤ地方の雰囲気がかなり正確に表現されていたことは評価されて良い点であろう。師を裏切ったユダが神殿の祭壇の火中に投身自殺するという設定も印象的であった。死去した愛弟子のラザーロスを墓から蘇らせる場面も今なお心に残っている。４０年近くたっても静かな感動を与えることの出来る忘れ難い映画である。
というわけで、これから今一度ビデオで見直してみることにしたい。再びあの時の感銘を受けることを期待しつつ。
