と帯にあるように、のちの『バック・トゥ・ブラック』が「ヴィンテージ」なR&Bであるのに対して、こちらは「アーバン」なソウルです。そして、『バック〜』が34分の作品であるのに対し、こちらは、ボーナス・トラック抜きでも60分の作品です。
これはこれで垢ぬけていて、悪くないのです。でも、2003年、19歳の時の作品だとはいえ、このアーバン・ソウルでは、コリーヌ・ベイリー・レイあたりとの差別化が図れておらず、泥臭いほどの絶対的な個性を示せていません。ここから『バック〜』にかけて大きく成長しなければ、『バック〜』での大成功、グラミー獲得はなかったでしょう。そういう意味では、『バック〜』が気に入ったかたが、『バック〜』と同じものを求めて買うほどの作品ではありません。
エイミー・ワインハウスは只者でないジャズ歌手だ!おすすめ度
★★★★☆
2008年グラミー賞主要5部門をゲットしたエイミワインハウスは、そのセカンドアルバム「バック・トゥー・ブラック」でR&B歌手の印象が強いが、ファーストアルバムである2003年の本作品「フランク」を聴けば、天才的なジャズシンガー(正確に言えばソウルジャズ)でもあると判明する。
彼女は、飲んだくれの上、奇行愚行の目立つお騒がせセレブらしいが、今の時代では、結局それで損していると思う。しかしもう世界の桧舞台に立ったのだ。
ジャズを新しい観点から研究している曲作りで、アルバムはとても一人の人間が作曲したとは思えない。詞は実に個性的で今風。でも音楽の基本をきっちり捕らえているので、聴き方によっては古い曲にも聞こえてしまう。
歌唱法もスキャットなどジャズの基本を押えている。誰に似ているかといえばカナダのジャズ歌手、ホリー・コールだろう。堂々としてドスの効いた通る低音。ホリー・コールは2000年ころの作品でビートルズの曲を採用してニュージャスに向かいいい感じだったが、最近は加齢のせいかスタンダードに回帰してしまっで残念と思っていたところだ。ある音楽評論家はホリーの歌を「キャバレー・ソング」と評していた。こう捕らえるとエイミーの活動が理解できる。
エイミーはシンガーソングライターで、何と19歳当時に本アルバムの曲を書いている。末長くジャズの世界でも才能を発揮するに違いない。本作品を★4にしたのはグラミー賞受賞の「バック・トゥー・ブラック」が★5だからで、飽きのこないアルバムはこちらのほうかもしれない。
エイミーのデビューはおすすめ度
★★★☆☆
rehabの世界的ヒットも日本の上陸。フランスでも最近、このfrankも売れている。この
どこのものともわからない個性こそ、彼女の魅力であろう。これだけ人気出てしまうと今さら
書くこともないけれど、こちらのデビューアルバムも、一聴価値あり。
やられた!おすすめ度
★★★★★
綺麗なお姉ちゃんのオシャレソング集と思っていた。
綺麗なのは確かだけど、それだけでなく力強い声。
やられます。音量をつい、あげてしまう。引きこまれます。
しばらくステレオを切れそうにない。
ニーナ・シモーンを髣髴させる新人
おすすめ度 ★★★★★
ラジオでTake the Boxを聴いてから興味半分で買ったCD。もう何度聴いても飽きません。エイミーのニーナ・シモーンっぽい独特の歌声と、歌詞の内容に出ている、英国人得意のブラックユーモア。彼女の将来を楽しみにさせるデビュー作です。100%お勧めです。