歌う東京都知事 おすすめ度 ★★★★★
市川崑の1957年作品。『ビルマの竪琴』『炎上』『野火』といった、間違いなく彼の才能の第一のピークを迎えた大映時代の、その合間に撮られた一本。
「商品の説明」にある通りのサスペンス・コメディなのだが、ルビッチなどアメリカのコメディの影響や、目まぐるしい展開とたたみかけるようなセリフなどの実験的な手法が盛り込まれた、まさに才気走ったと形容するにふさわしい出来である。市川の実験精神がその後の日本映画の幅をどれだけ広げたかを思い知らされる。
今の東京都知事の石原センセーが出てきて、歌まで披露する貴重な一本ですので、お笑いの、いや話のタネにもぜひご覧あれ。
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