さすが、と言うべき妙味のある短編集。私は「夕餉」が一番好きでした。愛しい人へ作る料理は渾身です。最近は泣ける小説が売れている現状ですが、大事な人を失くした空虚さや寂しさで共感させて泣かせるのは、そんなに難しいことではないと思います。この本では愛情と幸せに満ちているのに切なさがよぎって涙がでるような、とても繊細で上等な感覚が描かれていて素晴らしいです。恋をしていても、恋を待っていても、忘れていても、それぞれに感じるものがある内容だと評価します。今まで詠美作品を読んだことない人にもオススメ!ヒリヒリ感は薄くて、それでも作者のエッセンス凝縮です。 風味絶佳 関連情報
夕餉の前のナマズ釣り
ええ暇つぶし。
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