無責任提督タイラー〈4〉帰還編 (ファミ通文庫)
といった気持ち。
富士見文庫も全て読んだ者としてはもう少しこのまま続けて欲しかった。
いや、玄孫まで書けとは言いませんが……。
この作者の凄いところはまず無責任シリーズの巻数。
まさに圧巻。
あいまいな記憶によれば初期世代で七、次世代で5、次世代で5、次次世代で10、外伝が7、漫画が4、黙示録で10、新シリーズ15……?ああ、もう数えるのが面倒です。
とにかく、深い。
無責任艦長タイラー【スーパー・デラックス版】2 (朝日ノベルズ)
いまでは嘘のようだが、かつてライトノベルのタイトルは販売している書店を探すだけでも一苦労だった。都心の某大型書店になけなしの小遣いをはたいて探しにいっても売っていないなんてこともザラだった。そんな時代の富士見ファンタジア文庫の看板タイトル無責任男シリーズ。朝日ノベルズから再び世に出たことに望外の喜びを感じる。
特にこのアシュラン編は本シリーズの中でも白眉といえる部分で、艦隊決戦はあるは、格闘戦(プロレスファンには垂涎ものの描写らしい)はあるは、陸上市街地戦(戦車戦含む)はあるはで、中高生あたりのライトな軍事マニアにはたまらない出来だった。第二次大戦時の帝国海軍好きならばなおさらである。
皇帝アザリン陛下とイサム=フジとアシュラン三兄弟の三角関係を縦軸に、タイラーシリーズを彩るスターたちがその魅力をいかんなく発揮している。基本コメディであり、出てくるキャラクターも現実には存在出来ないであろう性格と能力をもったいわゆるマンガアニメキャラなんだけれど、なぜかリアリティがあって、どっかにいそうと思わせてくれる不思議な深さがある。
自分はアニメで原作を知った派であり、ご多分に洩れず原作タイラーのオッサンくささにショックを受けた身だが、読んでみてどのキャラにも厚みが感じられて、すぐに原作の筆致の虜になった。アニメ版にもアニメなりの魅力(真下マジック)があってとても素敵なんだけれど、おそらくこのアシュラン編の魅力はアニメでは表現できないんじゃないかと思う。うまくはいえないけれど、原作タイラーは表現されていないキャラというか、タイラー世界に生きているだろう人々にもタイラーとのつながりが想像できてリアリティを感じさせてくれる。この点がアニメには表現できない優れた点だと思う。(このあとタイラーは大統領にまで出世して全銀河をいろんな意味で巻き込みますし・・・。)世界のだれもがタイラーと無縁でなく、タイラーを通して作品世界の隅々にまで意味が与えられていると言えば良いのかもしれない。しかも、それはタイラー独力では無理な話で、タイラーを取り巻くキャラクターとの関係が相乗効果となって、タイラーに力が与えられた結果なのだ。
全銀河全てに血が通っているような世界を描き出し、その世界の中で名を与えられたキャラが躍動しているSF風艦隊決戦ラブコメディー。それがタイラーである。こんな作品は世界に二つとない。是非ご一読を。
最後に、新たに書き下ろされた新作部分は、声優下野紘さんのファンにはたまらない出来となっている?と思います。少し、いやかなり彼がうらやましいです。
無責任艦長タイラー DVD-BOX3 駆逐艦そよかぜ~艦旗は降りず
このDVD-BOX3には新OVAシリーズが収録されています。
DVD-BOX1,2よりキャラクターが少し大人になった感じで、
若干TV版よりオトナシ目な感じです。
各1話毎それぞれがサイドストーリー的な内容なっていて、
最後の「地上より永遠に」への伏線にもなっています。
個人的な感想としては、「地上より永遠に」の終わり方が中途半端な感じがします。
盛り上げるだけ盛り上げて終わってしまいます。
DVD-BOX2に収録されている「一人ぼっちの戦争」で
終わった方がすっきりしたかな?と思います。
しかし、その中途半端な終わり方の救いとして
ブックレットには書き下ろし小説が掲載されており、
その後の展開が推測できる内容になっています。
気になる方は是非一読を。
出来ることならば、その後の話をアニメ化してほしいですね。
無責任艦長タイラー DVD-BOXI~素敵に無敵! 出世の花道~
今ではあたりまえになったライトノベルのアニメ化、その抜け駆け的作品です。
当時少ないお小遣いでビデオを買っていました。それがDVDーBOXになって登場するとは嬉しいような…複雑な気持ちです。