歌謡曲 林哲司 著
「ウナ・セラ・ディ東京」「旅の宿」「亜麻色の髪の乙女」などなど誰でも経験してきた名曲が著者の体験を通して、林さん自身のクリエイターの立場からの一定の見識を保ちながら、次々と紹介されています。自然にわたし自身の体験が甦ってきて楽しく拝読できました。音楽を友とする普通のヒトの感性と、長年作曲家としてご活躍されてきた筆者のプロの感性とが合わさって、とてもバランスのとれた名曲紹介になっていますね。良い本をありがとうございました。
新ポップス作曲法 (Creators Handbooks)
作曲家として多くのアーティストに楽曲を提供してきた著者が実績、経験に基づき一般の人にも作曲を楽しんでもらおうという趣旨の本。作曲はそんなに難しいものではないというメッセージ自体には共感しますが、やはり音楽に関するバックグラウンドがないと、入っていけないというのも事実。分かりやすい解説を心がけているのは伝わってくるのですが、本当の初心者には理解不能なのではないでしょうか。もっと簡単な本で勉強してからこの本でも遅くないような気がします。
Amazing Toys
まるでベスト盤のように、名曲ぞろいのアルバムです。
もし須藤薫を知らない人から、彼女のアルバムでどれか1枚をと訊かれたら、一も二もなく「Amazing Toys」を挙げます。
これまでもLPやCDは持っていましたが、今回ボーナストラックに惹かれて購入しました。
驚いたのがリマスターで、まるで霞が晴れたようにひとつひとつの楽器の音がクリアになっています。
そして須藤薫の艶やかな声が、最近レコーディングしたように細かなニュアンスまで伝わります。
今までのCDは何だったんだと言いたくなるくらい、まるで別物。
もっと早く買えばよかった……。
期待のボーナストラック(5曲も!)の中でも、全盛期にライブ録音された「RAINY DAY HELLO」と「恋の最終列車」のボーカルの素晴らしさたるや……この2曲のためだけでも購入する価値があります。
同時代にこのアルバムに出合えて、ほんとうに幸せでした。
「緑のスタジアム」「涙のステップ」など、25年経っても全く色褪せない数々の名曲を聴くたび、しみじみそう思います。