アーリー・イヤーズ~シングル・コンピレーション+
緑魔子さんのイメージ通り、アンニュイでエロスな音楽。
昭和という時代性を感じ、非常に味わい深い。
各楽曲の完成度が非常に高いのが印象的であるとともに、
収録曲数・収録時間がほどよい。
なので、最初から最後まで疲れること無く聴くことができ、
緑魔子ワールドに身を委ねることができる。
一人でアンニュイな気分の夜に聴くと素晴らしい。
お酒と煙草があると、より深く味わえるかもしれない。
サイケな街
まずヴォーカルの枯葉マナコの適度にやさぐれ感のある歌声がいい。この手のガレージ歌謡バンドの中でも「裸足のブルース」のマナコの歌のフィーリングにはぐっときた。また選曲が渋い。牧陽子の「本牧ディスコティック」とか緑魔子の「やさしい日本人」とかデイヴ平尾の「ママリンゴの唄」とか、隠れ名曲の数々。演奏は決して上手いとは言えないが、バンマスがあの鳥井賀句なので、ギター・サウンドのそこかしこからストゥージズやテレヴィジョンやニール・ヤングっぽい音が立ち昇っている。山崎ハコの「気分を変えて」なんか、まるでライク・ア・ハリケーンかサイケ・ガレージ・ロックである。純粋歌謡曲ファンにはハードボイルドなアルバムかもしれないが、ロックやパンクやサイケやGSやガレージ・サウンドのファンなら、このアルバムを買って損はない。SHHENA&THE ROKKETSのシーナと鮎川誠氏が、推薦コメントというのもらしい。