結婚なんてしたくない
5人の人生が絡み合いながら順不同に描かれているにも関わらず非常に読みやすかった。途中から大筋が読めてくるのだが、それでもテンポがよいストーリに引き込まれてしまう。個人的には香澄との出会いがきっかけで変わっていくナンパ大好き男が好きだった。結婚や子供にしばられず自由に生きたいと思いながらも、かわいくて、元気で、わがままを言わない子供に触れながら徐々に結婚も悪くないと思っていく様子は非常に共感できた。過去に別れた小児科病院の女性の言動もとげがあったが優しくて心が温まった。
極限脱出 9時間9人9の扉 オルタナ(上) (講談社BOX)
扉の外、ライアーゲームのようなハラハラドキドキ感があると言って差し支えない。
物語自体は実に面白い。読書嫌いな人にお勧めする一作である。
ただ、多くの本を読みこなしてきた読者からは少し苦言を呈されそうな本であるのも、また事実である。
まず、謎のゲームに参加させられ、負ければ何かしらのペナルティーが待ち受けている、という設定は、昨今においてはありきたりとなってしまった点が挙げられる。つまり、オリジナリティーに欠けているのである。
加えて、登場人物が冒頭から九人という大所帯なため、やや理解が遅くなる。
上記の観点から、星三つとするが、仔細なことにこだわらなければ、星四つは確実だろう。
逆転裁判 (5) (ヤンマガKCスペシャル)
「逆転食いしん坊<後編>」、「逆転力vs神通力<前編><後編>」を収録。
「逆転力〜」では3巻で登場した柊カエデが再登場。
大天狗を信仰する団体に入信した彼女はまた殺人の容疑をかけられてしまいます。
被害者から連絡を受けていた冥も登場し、成歩堂との法廷バトルを繰り広げます。
シナリオは可もなく不可もなく、今まで楽しめていた方なら楽しめると思います。
今回あとがきマンガはありませんでした。残念。
巻末には逆転検事の紹介が2ページあります(既出情報のみ)。
ナナフシの恋~Mimetic Girl~ (講談社文庫)
ちょっとびっくりするトリックである。前例がないわけではないが、処理の仕方にひねりがあり、面白かった。
ただ、全体としてはすっきりしない物語であった。基本的には短編に向いたネタなのだと思う。それを頑張って引き延ばそうとしているのだが、うーむ。
イメージとしても、ナナフシというのはどうなのか。ちょっと不気味さを出そうとしたタイトルなのか。