偽書ゲッターロボダークネス 1 (ジェッツコミックス)
70年代における(ロボット)ヒーロー番組は勧善懲悪が基本でした。
悪は必ず滅び、最後には必ず正義が勝つ。
それがいつの間にか悪には悪の正義ができ、今では勧善懲悪物など殆ど見かけなくなってしまいました。
その点、この漫画はその勧善懲悪を真っ向から描いています。
悪は徹底的に憎たらしく、作中での言葉を借りるならまさに悪魔とまで思えるように。
そしてそれほどまでに憎たらしい悪を滅ぼすゲッターロボ。
最高のカタルシスではないでしょうか。
この漫画はまさに70年代におけるヒーロー番組を現在の漫画として描いてくれていると思います。
その点、まっとうなヒーローものの石川賢版ゲッターロボ及び・ゲッターロボGとは違う、原作漫画版真ゲッターロボ以降の石川賢版ゲッターロボを望む人には受け入れにくいかとは思いますが。
また、石川賢版ゲッターロボでの重要点。ゲッター線による進化ですが、その進化は偽書作中では早乙女「賢」率いる光のゲッター線の影響として歪な姿への変化として描かれています。
物語がどのような終着点へとたどり着くかは分かりませんが、
まがいものとして、真っ向から石川ゲッターにぶつかってほしいと思います。
※作中での性描写が毛嫌いされているようですが、ダイミナック作品と性描写は切っても切れないと思うんですよね。
特に永井豪氏はかなりえぐいのも描いてますし。
また、嫌悪感を覚えられるというのは敵の外道ぶりを表現する上では成功している……のでしょうか?