拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)
トム・ジョーンズ著「拳闘士の休息」は、村上春樹さんも紹介したことのある短編集です。
主人公は何らかの障害(癲癇が多い)を持っていることが多く、それだけ聞くと暗い印象を受けるかと思います。
しかしトム・ジョーンズの語り口、そして訳者の岸本佐知子さんの翻訳はテンポ良く、リズムに満ち、シニカルな口調が憂鬱さを笑い飛ばすどころかそのベクトルを変化させ、軽快さに近いところまで持っていくのでした。
頭の上を黒い影が通り過ぎて、目をつぶって息を止めたくなったその瞬間、見える光があるだろう。
おがくずが頭が詰まっているよう感じた時の、お勧めの一冊。
グレイテスト・ヒッツ
トム・ジョーンズwithカーディガンズの「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」は最高に面白い!
トーキング・ヘッズの、難解な歌詞の、言ってみればこの奇妙な曲を、トム・ジョーンズが大好きだったという事自体が興味深い。
デビット・バーンも最初は驚いたのでは?
このトム・ジョーンズ版「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」は不思議な事に、彼のの60年代の代表曲「イッツ・ノット・アンユージャル=よくあることさ」に続いて聴いても全く違和感がない。
圧倒的な歌唱力と優れた感性があれば、時代を、時間を、超越できることをトム・ジョーンズは計らずも証明してしまったのだ。
ぜひ聴いてみてください。
トム・ジョウンズ〈1〉 (岩波文庫)
トムはソマセットの名士オールワ―ジ氏のベッドの中で発見された捨て子です。母親と目された女性は頑として父親の名前を明かそうとしませんでした。オールズワ―ジ氏はこの子を育てることにします。いたずら好きなトムは養父をさんざんてこずらせましたが、長じるに及んで森番の娘に手を出し、とうとう屋敷から追い出されました。トムを慕う隣家の令嬢ソフィアも、オールワージ氏の甥ブライフィルとの縁談をきらって家を飛び出します。
トムはソフィアという申し分のない恋人がありながら、行く先々でいろんな女性とねんごろになります。まことにけしからんヤツですが、本人はいたって正直で親切であけっぴろげな憎めない若者です。陽気で勇敢な青年の愉快な冒険譚ですから、あまり目くじらを立てないで楽しみましょう。構成のしっかりした面白い小説です。朱牟田夏雄の翻訳は、いささか古めかしい言いまわしが目立ちますが、すらすら読める名訳です。
トム・ジョーンズの華麗な冒険 [DVD]
最初から最後まで、しんねりした英国のユーモアがたっぷりきいています。
単細胞で軽率、おバカなトムさん。でも、恋人を助けるために馬にヒラリと飛び乗ったり、勇ましく決闘したりして、彼の中の紳士を垣間見せて、実はかっこいいのです。彼の軽率さや不安定さは、その生い立ちに由来する自信の欠如だったのだと、ラストシーンを見て感じました。
恋人役の女優さんも可愛いかったけど、なんと言っても尻軽なモーリーを演じた女優さんの美しさと、その演技の卑しさ(うますぎる)のギャップがすごく印象的でした。
Greatest Hits
今までトムのベスト盤が何種類か出ていますが、このCDはレーベルを越えた
最強のベスト盤です。
「恋はメキメキ」は日本で大ヒットしたし、アルバム「リロード」からも数曲
エントリーしています。
注目はなんと言っても「Boy From Nowher」です。この曲は今、このCDで
しか入手できない貴重な曲です。
ロビー・ウィリアムスとのブリットでの共演ライブ録音「フルモンティー・
メドレー」も貴重な録音です。
トムファンなら是非コレクションしたい作品だ!