ニッポンの観覧車 (イカロス・ムック)
日本にある観覧車だけで1冊の本が出来ているのに驚きました。筆者の福井優子さんは「観覧車通信」東京支局長で、この「観覧車通信」は福井さんが始めたのを奥付で知りました。アメリカで観覧車の歴史研究家のノーマン・アンダーソン氏と知り合ったようで、日本の観覧車研究を深化させた方と言ってよいでしょう。
観覧車が好きで様々な場所にあるのを乗ってきました。本書でもそれらが相当掲載してありますが、それらの違いに関心を持つことなく、上からの素敵な眺めに浸っている内に1周が終わりますので、個々の観覧車の印象はなく、本書でそれらの違いをしっかりと把握したわけですが。
外国ではもっと回転スピードが速いことや、何周もすることを知り、日本とは楽しみ方が違うのも分かりました。日本最古の現役観覧車の北海道の函館公園にある「こどものくに観覧車」は可愛らしい形状です。1950年に制作されたようで、長椅子型ゴンドラという形式は日本でここだけのようです。珍しさも手伝ってなかなか風情があります。
お台場のパレットタウン大観覧車が38ページに掲載してありますが、残念ながら営業を停止しました。お台場の景観を楽しめるランドマークの乗り物という印象を持っていたのを思いだしています。
100ページの分量で、オールカラーで日本中の観覧車を詳しい解説付きで説明している本はこれからも出版されないのではと思いますので、その意味においても貴重です。11の観覧車トリビアが紹介してありますので、豆知識としても面白かっです。
浅草公園にあった空中観覧車のように、明治時代に造られたものの姿が分かる絵はがきも掲載してありますので、歴史的な流れがつかめるようになっていました。