空飛ぶタイヤ DVD-BOX(3枚組)
圧倒的なクオリティ。原作も相当に良くできた面白い小説なのですが、個人的にはこのドラマは原作を凌駕していると感じました。これは希有なことだと思います。
見事な脚本、演出。主役級から脇役に至るまで、全ての出演者の熱のこもった素晴らしい演技。何度仲村トオルの振り絞るような言葉に涙腺がゆるんだことか・・・
もしこれを「連続ドラマ」というのなら、民放で流されているドラマの大半は別の名称をつけるべきだと思います。もしくは、こちらを「5時間の映画」と呼ぶべきでしょうか。
とにかく星5つでは足りない必見の作品、一気見は必至です。
連続ドラマW 下町ロケット [DVD]
WOWOWで放送されたドマラなので、契約者以外はほとんど見ていないだろうと思われるのが残念。
ここ数年でNo.1のドラマと言っていいでしょう。私はWOWOWを録画しましたが、さらにDVDも欲しいくらいです。
やや価格は高目ですが、購入するかどうか迷っている方には是非とお薦めしたいです。
NHK土曜ドラマ 鉄の骨 DVD-BOX
ゼネコン各社の社長による形ばかりの脱談合宣言から数年がたちますが、今日もどこかで行われている談合。このドラマはその反社会的行為のいったんをかいまみることができる作品です。建設関係者にはぜひ見ていただき、一日も早く反社会的行為をやめてもらいたいものです。
空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)
中小企業の運送会社社長が、大手企業のリコール隠しにより人身事故が引き起こされてしまうというような作品ですが、その中にサラリーマンとして、男として、考えさせられる事が幾つもある本だと思います。ぜひ、読んでください。面白すぎる!
また、文中の会社は三菱だと思いますが、実際にあそこの人間はあんな感じですね・・・未だに変わってないかと、特に役職の肩書きの人は。中にはいい人もいますが。それを踏まえて読んでいただきたいです。 この本を読んで、技術屋としても仕事を考えさせられました。
七つの会議
ずっと池井戸潤さんの作品は読んでいましたが、『空飛ぶタイヤ』を最高峰として、以降は低調だと思って
いました(※個人の感想です♪)。
池井戸作品の魅力として、具体的な業務の詳細や現場の葛藤のリアルさがあると思います。だからこそ、
現場や業務のあれこれは違っても、それなりに経験のある社会人にとって登場人物に感情移入もし、先々
の展開に手に汗握る部分もあったのだろうと。
しかし、最近の『鉄の骨』や『下町ロケット』(それぞれ映像化もされましたね)、人気が高いシリーズの最新
作『ロスジェネの逆襲』などは、それらがいかにも弱く、定型的な業務の描写に、どこかで見たような勧善懲
悪のプロットで、中盤くらいで、誰が悪として懲らしめられるのか、見通せるような感じで、どうにも入り込めな
いなと感じていました。
しかし、本作では、最近では弱いなと思っていた従来の池井戸作品の良さが戻ってきました。しかも、最後
まで一番悪い奴が誰かは闇の中だし、ヒーローとして立ち振る舞うのが誰かも定まらず(いや、本作にヒーロー
はいないのかも)、これまでのように、早々に「会社」内での善玉と悪玉が色分けされるようなこともなく、久し
ぶりに頁をめくる手が止まりませんでした。
読みながら、「これ、これ!」っていう感じを禁じ得ませんでした。
社会人の方には、自身の業務体験と照らして、ヒリヒリする感覚があるかとも思いますし、個々に述べられる
登場人物の背景には、世の中の広がりを示唆することで、テーマのひとつである「客を大事にしない商売は
滅びる」ということに、一層の厚みを与える効果もあると思います。
久しぶりに、(個人的に想定している)池井戸節を堪能して満足度は非常に高いです♪
従来、池井戸潤氏のファンでありながら、最近の作品に、今一満足しきれないものを感じていたという読者
(そういう方がいらっしゃったとして)には、是非ともお手に取ることをお薦めします。