管理職の本分 (講談社文庫)
高杉良氏らしい一冊。生保の実話に基づき仕立てあげていくストーリーはいつもながらだが、その中で管理職たるものはこうありたい=本分を、押しつけがましくなくさらりと読ませる。
ただ、彼らしさを超えるものではないため、すごく安定感というか安心感をもって読み進められるものの、読後の新鮮感、サプライズは無い。
青年社長〈下〉 (角川文庫)
少年の日の決意を胸に、それを実現してしまうということはなかなか難しいとだと思う。
それを実現できるのは、よほどの強固な精神を持っているのだと感じた。
運もあったのだと思うが、結局、運もこのような人のところに集まってくるのだと思う。
ぜひ、一読すべき本である。
不撓不屈 [DVD]
見所はなんといっても主役の滝田栄を演じる飯塚毅だ。表情や立ち居振る舞いで滝田栄が感じた苦しみや信念
を表現できている。すっと伸びた背筋は東京タワーくらいの高さまでオーラを発しているようだ。
滝田は後にTKC(栃木計算センター)を作ることになる税理士だ。税法の範囲内で別段賞与という会計処理を考え出し、これを顧問をしている中小企業に進める。中小企業の立場に立ってできるだけ無駄のない節税を考えた末のことだった。
まったく違法性のないこの処理に国税当局は脱税の容疑をかけ徹底的に圧力をかけてくる。それに屈してしまっては中小企業は救われない。穏便にしかし、信念に従って滝田は戦い続ける。
信念に貫かれた人生というのはこうも美しいものかと思った。また、国会議員と話ができるということはこういうことができることなのかと思った。
金融腐蝕列島 呪縛 [DVD]
~仲代達矢が主宰する無名塾出身の俳優二人(役所広司と若村麻由美)が主演で、仲代達矢が物語の舞台の大銀行で帝王のように振る舞っている権力欲の権化を演じています。監督は「ラスト・サムライ」の敵役、大村役で役者デビューをはたした原田真人です。
物語の展開もスピーディーで大銀行の内側もよく描かれており非常に面白かったです。
ただ、仲代達~~矢の演じた役をのぞくと何故かみんな銀行改革の夢にもえる善人ばかりです。銀行内部に旧主派の抵抗勢力の影が微塵もみえない(と私には感じたのですが)、のが不思議でなりません。(とは言っても、2時間でおさめるには仕方ないことなのかもしれません)
いつもは悪役の佐藤慶がいい味をだしていました。他の役者さんたちもいい演技をしていましたが、特に~~私の目にとまったのはちょい役の二人です。「剣客商売」で弓の名手で性格のねじ曲がった伊藤三弥役をやった本宮泰風(「仮面ライダー剣(ブレイド)」にも出演)は中程の電車のホームのシーンとラストで、「武田信玄」で信玄の次弟、信繁役をやった若松武はその本宮泰風とともにラストで不気味ないい味をだしていました。~