ロウヴァサォン
カエターノ・ベローゾらとともに“トロピカリスモ”運動を推進した立役者、ジルベルト・ジルの、1967年のデビューアルバム。最近、彼の初期音源がCD化され、入手可能になったのは本当にうれしい限りだ。
近年、日本ではカエターノの名声ばかりが強調され(ブラジル音楽に興味のない人でも、彼の名前は何故か知っているもんね)、なーんか影が薄い感じがしないでもないけれど、やはり初期の彼のアルバムを聞くと、ポテンシャルの高さに圧倒される。この頃の作品だけで評価すれば、カエターノの数歩先を走っていたんではないだろうか?
“Roda”は、前年にエリス・レジーナによってカバーされ、ヒットした彼の初期の傑作。アップテンポなリズムが実に軽快だ。
このアルバム発表の翌年、ガル、ナラ、トン・ゼーらが参加した歴史的名盤『Tropicaria
レッド・ホット・アンド・リオ
タイトルから熱い暑いリオのイメージ(サンバカーニバルとか)が思い浮か
びますが、音は極めてクール。ボッサを色々な人がにいじった結果、ちょっと
デジタルでお洒落なCDになりました。アストラッド・ジルベルト&ジョー
ジ・マイケルの組み合わせの「デサフィナード」とか、インコグニート・フィ
ーチャリング・オマー+アナ・カランの「おいしい水」なんかが、原曲のフレ
ーズを保ちつつ、それぞれの特徴を前面に押し出したいかにも今っぽい仕上が
りになっているのがおもしろいです。個人的にはドラムンベース要素強しのエ
ヴリシング・バッド・ザ・ガールの「コルコヴァード」がお気に入り。ゆる~
いヴォーカルの音とミスマッチなくらいの断続性低音が以外な程合ってい
て、すごくかっこいい。あぁこういうのもアリなんだなと改めて思った1曲で
す。もともとボッサの曲のリメイ
クなので今聞いても古いとは感じないと思います。
声とギター ジル・ルミノーゾ
ブラジルの文化大臣でもあるシンガーが、自作を弾き語りで「淡々と」歌う。
このヒトの世界(訳詩を見ても)の歌を渋く、でも熱く歌う。
「このアルバムエエよ」と簡単には言えないんやけど、丁寧に感度を全開にして聴くと自分の感覚が、「新しい領域へ行けそうな」、「生まれ変われそうな」気がする。
この音楽に耳をすまそう。
少し気合必要。
bossa nova-compiled by bar bossa
知る人ぞ知る渋谷のボサノヴァ・バー「バール・ボッサ」が編集したコンピレーション・アルバムです.CDケースを開くと内面が(たぶんバール・ボッサの)LP棚の写真になっています.オリジナルの記載もしっかりあり,オリジナルのジャケットも小さく印刷されていて,この音楽へのほんとうの愛着が感じられます.主要なボサノヴァ・アーティストそれぞれが60年代~80年代に残した演奏から1曲ずつ,選ばれています.チャーミングでコーラスが美しい曲が多く,ボサノヴァらしい曲,というより音楽としていい曲が集められています.聴き応えのある22曲です.