自省録
著者は大衆迎合主義とはほど遠いから人気という面では可哀想に思うくらい無い
偉く嫌われている感もある
しかし、著者のように大所高所に立ち、日本国家を根本から変革するために活動されてきた政治家が何人いるだろうか!?
多くの心無い人は著者のことを老害のように扱っているが、著者のような憂国の士は真に稀有なる人物であり、今後、真価を問う必要があるように思う
本書は、著者が政治家として活動してきた50年超に及ぶ歴史の総決算として非常に貴重なものであると私は考える
細かな箇所については意見を異にするところも少なくないが、著者の根本理念、国家のトップたる者はどうあるべきか、改革の手順はどうすべきかといった大本の部分は全面的に賛成できる
とくに私が腑に落ちたのは、首相たる者は、まず国家存立の根本、骨組みから考えねばならないということ
私も常々、まず教育と憲法から取り組むべきだと考えているので、わが意を得たりというところであった
著者は大上段に立った意見ばかりであり、その割に”風見鶏”のように風向きをすぐ変えると批判されることが少なくないが、国家のトップが大上段に立ち、大所高所から国家百年の計を考えないで誰が考えるのかと言いたいし、”風見鶏”のように風向きを変えてきた問題は枝葉末節といってよいものばかりであり、著者自身が語っているように根本理念が揺らいだことは一度もないといえるだろう
但し、本書のサブタイトルにある「歴史法廷の被告として」というものを曲解して、著者の懺悔を期待するのなら本書は期待外れといえるのかもしれない
著者のように日本国家を真剣に考える憂国の士を自覚される多くの方にとっては大いに一読の価値はある書といえる
そういった方は是非一読を!!
2 東京の窓から ゲスト中曽根康弘 戦後 [DVD]
当代きっての大政治家が一流のバーでリラックスして対談した貴重なビデオ。
中曽根康弘元首相の政治哲学と見識の高さを、同席して拝聴している様な
気分にさせられる。見ていると、国会でうごめく政治家が皆ウジ虫に思えて
くるから不思議だ。MXテレビの作品のようだが画質も雰囲気も最高。