国家の品格 (新潮新書)
著者が論理を否定していると感じている人がいるのには驚いた。
論理を否定しているのではなく、論理を過信することを否定しているのである。
また著者の主張は説得力に欠け内容が深まっていないとか、感覚的であるとかなどの批判も的外れである。まず冒頭で「女房に言わせると、私の話は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷とのことです。私はまったくそうは思いませんが、」とある。
あらかじめこう断っているのだから、著者の主張に文句を言ってもしょうがないのである。また「論理は長くなりえない」、「最も重要なことは論理で説明できない」とも書いてあり、論理的に展開して内容を深めることに意義を感じていないことがわかる。
たぶんこの本はお遊び半分で書かれたものだろう。はじめに、で「品格なき著者による、品格ある国家論、というきわめて珍しい書となりました」と書いてあることからもわかる。たまたま世の中の動向にマッチしたから売れてしまったのだ。それ以上の意味はこの本にはない。
“It”(それ)と呼ばれた子 幼年期 (ヴィレッジブックス)
保育士として働いています。
子どもに素直な愛情を示すことのできない父親、母親が増えていて
叩かれている子ども、言葉の虐待を受けている子ども、
養育を放棄されている子どもを目にしています。
これは外国の実話だけれど、日本にも十分にありうる危機です。