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ハサミ男 (講談社文庫)

殊能 将之
おすすめ度:★★★★★
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世界は意外と狭い
おすすめ度 ★★★★★

全く赤の他人だと思っていた人が、実は意外な所で自分と接点を持っていた――と言う事は以外に多い気がする。




正直この話を未だ読んだ事が無い人は、レビューを見ない方がいいと思う。
その方が読んでいて楽しいし、読み終わった後の気分もだいぶ違ってくるはずだ。



先入観を捨てて読んでみてください。
おすすめ度 ★★★★★

犯罪者が主人公の物語に感情移入できるはずなし、
と思いながら読みはじめました。
読後それは間違いだったとわかります。

良く計算された物語です。
すっかり騙されてしまいました。
是非みなさんもこの悔しさを味わってください。



騙された!
おすすめ度 ★★★☆☆

叙述形式のストーリーだとわかりながら読んだにもかかわらず
まったくもって予想できない結末でした。

途中で医師が誰か、ってことには気付いたけれど後半100ページはまさに「???」状態。
状況が飲み込めるまでかなりの時間を要したくらい。

それにしても、この「ハサミ男」
やることはとっても残酷なんだけれどなかなかどうして憎めないキャラ。
何度も何度も繰り返す自殺未遂のその方法が面白い。
よくもまぁそんな方法を思いつくなぁ…と(笑)
あと刑事達のキャラもなんだか人間臭くて面白い。

ただ、全般的な印象としてはちょっとダラダラ感も否めず。
一気に読破ってほどのスピードは得られなかった。
あと終わり方も「え?これで終り?」みたいなちょっと中途半端な感じ。
「ハサミ男」がどうして「ハサミ男」になったかだとかそのへんも描いてほしかったな。

ところでこの作品が映画化されてたらしいけどいったいどんな映像になってたのやらw
こういう叙述系を映像化するって何を表現したかったのかなぁ…?
素朴な疑問(笑)



だまされた!・・・・が・・・
おすすめ度 ★★★★☆

叙述トリックものということをすっかり忘れて読み始めたので
完全にだまされました。
いや、忘れてなくてもだまされたかもしれない。

ただひとついえるのは、手品を見るときに
「トリックを暴いてやろう!暴いてやろう!」と意気込んで見る人には
向いていない小説でしょう…
まっさらな気持ちでどうぞ。

ただひとつ不満といえば、主人公や被害者の女の子が
どうしてああも自分を傷つける行為を繰り返すのか
いまいちはっきりしない。
読者が自分で考えて補填しろ、ってことなのだろうか。
伏線はりまくりで投げっぱなし感がしてそこが−★ってことで☆4つです。



おもしろいが疑問点もある
おすすめ度 ★★★★☆

なるほど、読む前から引っ掛けだったのか。あとになって伏線やヒントがいっぱいだった
ことに気付くが、読んでる途中は全然わからなかった。オチもまったく読めず見事に
やられた。ストーリーも面白く、特にマスコミのバカ報道に対する軽蔑感には私も共感した。
あえて物語性にこだわらず、心理描写もメカニックにすることでリズミカルな読感を得る
ことに成功している。いい小説を描くのに必ずしも文章力は必要ないことがわかる。

でも細かいところで疑問はある。ハサミ男が死体を発見してしまうのに何か深い理由が
あるのではないかと思ったらホントに偶然だったことや、彼が本当にデブだったのか
はっきりしないところなど、細かい矛盾点を探せばもっと見つかると思う。私が一番気に
なったのは、せっかく物語性を捨象しているのだから、もっと情緒性をバッサリ切り捨てた
ほうがよかったのではないかと思うことだ。いっそのこと登場人物をみんなサイコパスに
してしまったほうがずっと面白かったかもしれない。作者もそれを狙っているフシは
見られるがやや中途半端になっている。まあ、判りやすいし、しっかり緻密にできている
ので傑作であることには変わりはない。

ところで、ハイパープリズム、オフランド、アルカナって、エドガー・ヴァレーズの
楽曲名なんだけど、これも何かの伏線なんだろうか?


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