虚数霊 ③ (MFコミックス フラッパーシリーズ)
『虚数霊』を最初に読んでから何年経っただろうか。手元には、青い表紙の旧版からある。 キャラクターや背景、小道具への丁寧書込み、作家性が読者に小気味良く伝わるストーリー構成、個性的ではあるが普遍性を兼ね備えている。 偉そうに書きましたが、ゴメンナサイ、このマンガ大好きなんです。 しばし、休載(?)されるそうですが、いつかまた、新しい展開を読める日が来るのを待っています。
宇宙戦艦ヤマト2199 3 [Blu-ray]
詳細は未見の方の為に伏せますが今回の第7〜10話は、前半はオリジナル(1974年版)を踏襲しつつ、後半から「ヤマト2199」独自性も強くなります。前話までは、ヤマトやメカの活躍も多くみられましたが今回の4話分はヤマトクルー、ガミラス側やアナライザー等を含めたキャラのドラマ部分を中心に描いた印象。ですがオリジナルエピソードを生かせている部分と、そうでない所があると私は感じました。オリジナルが好きな古参ヤマトファンの評価も大きく分かれてくる話数ですね。
ヤマトが地球の運命を背負っている事、戦いの緊張感なども重さが少し足りないとも思います。第7話の赤道祭はオリジナルのエピソードでもあるのでそれは良いとしても、第6話でシュルツとの決着がついて無い中で沖田艦長の祭り開催判断は?というより演出的に盛り込みすぎかシリーズ構成の問題でしょうか。本編のみだけ観ている人には艦内ラジオも突然開始で"岬 百合亜"が何故?と感じる方がいるとも思います。ですが「真赤なスカーフ」を挿入歌ではなく物語の一部としてに流す演出は良かったです。更にEDでの使用にもグッときました。特典映像では、ささきいさおさんのインタビューも有りで今回こだわりの歌い方にも触れられています。
第8話は、こんなのがあったとういうオリジナル(1974年版)名シーンに通じる要素が一番多いです。
第9話のアナライザーのエピソードもSF的で個人的に好きですが今の話数で消費して良かったのかとも感じます。ちなみにオーディオコメンタリーはこの話で出渕監督、チョーさん、内田彩さんの話が聴けてオリジナルのビーメラ星に相当する話を違うかたちで表現したとの事。あとシュルツの娘も意外に人気が出た等、この話以外の情報も多いです。
私が演出で特に疑問に感じ所はシュルツの行動、あとガミラス軍人とのファーストインパクト。シュルツはこれまで「ヤマト2199」の演出として良い感じだったので第8話での焦ってヤマトを追っての判断だとしても、もう少し如何にかならないかと。後者(第10話)はオリジナル(1974年版)各要素とどうしても比較してしまうのですが、あっさり観がありすぎます。古代の突飛な行動もなければ他の人も結構冷静。地球側にしてみればガミラスは、まだ憎むべき敵という時期と私は思うのです。既に来年の11〜14話のあらすじも公開されてるので次回に一悶着は有りそうで、ここは第10話でのメルダとの会話にもヒントが…。
工夫を感じた点は森 雪の過去やヤマトの自動航法室の設定、新見 薫の行動、山本 玲の葛藤(ある意味、古代より活躍してます)など「ヤマト2199」独自展開や伏線も多く感じます。作画的にはキャラのクオリティも安定していて、メカ描写も多くは無いですが新たな設定にもニヤリとする所も有ります。しかし、宇宙のサルガッソーでのガミラス軍と遭遇を(オリジナルではドメルでした)別のキャラに変えた所は、やや肩透かしを食らった気分です。
色々と演出的にも疑問に思う所もありますが、作品製作側も様々な困難を乗り越えて最後まで予定を全うする事を願っています。劇場先行Blu-rayも買いましたし今後の旅路も応援しつつ見守ってます。
宇宙戦艦ヤマト2199 (2) [Blu-ray]
40年前の作品に、そこから今までで発見された科学的な解釈、『男たちの大和』や『亡国のイージス』などで取り上げられ最近認知度が上がってきた旧海軍及び海自独特の言い回しの導入、コンソールなどのディテールへの力の入れ様などなど、何度見ても新たな発見があり、とても楽しめます。
あと、シュルツ!これがいい味をだしてる。ガミラス側だけど思わず応援したくなってしまう。『反射衛星砲、発射!』の声もかっこいい!
第3巻が楽しみで仕方ないです。
宇宙戦艦ヤマト2199 (1) (カドカワコミックス・エース)
内容的には劇場1章(発進まで)を、メインは残しつつ、シーンの一部を削ったり加えたりしている。
ただ『補完』ではなく、コレを読むことでアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』と言う作品に厚みを持たせようとしている感じ。
上記の理由から、一応メインの話は同じなので漫画だけでも問題無いがアニメを見た方がより楽しめるようにはなっている。
作画も丁寧で、キャラやメカニックも原作の雰囲気を残しつつ描かれているので違和感も少ない。アクション部分は少ないが、それなりに迫力はある。
唯一不満なのは、コマの1つ1つの繋がりが弱く躍動感と言うか流れと言うのが感じられない部分が多い。言い方が悪いかもしれないが、アニメのワンシーンをトレースしてそれをコマとして並べているだけで読み辛く、『このコマとこのコマの間もうワンシーン入れた方が良いんじゃないかな?』と思ってしまった所が多々見られた。
ただ全てがそうではなく、ポイントポイントだとしっかりコマからコマへの流れがスムーズかつダイナミックに描けてある部分もあるので、恐らくアニメと話が離れないため駆け足で描かされているのではないだろうか。
上記は完全に予想だが、もしそうなら個人的にはそう言った足枷をせず、ヤマトファンな作者が書きたい内容を時間と巻数をかけてもいいからじっくり描いてほしい。
虚数霊 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
はじめてむらかわ先生の絵に接したのは単行本Ringletだった。
今もそれは宝物としてガラス扉のついた本棚・・・
ウチの本たちの特等席にある。
圧倒的画力の魅力!
プロの漫画家や絵師にもむらかわ先生のファンは多いという。
繊細で流麗なタッチ、正確なデッサン、
自然描写の見事さは読んでいて風を感じるほど。
そして何といっても芯の強い女の子のかわいいこと。
そんなむらかわ先生がいよいよ漫画稼業に本格的に乗り出したという。
その第一歩がこの虚数霊となる。
再コミックス化にあたり大幅な加筆修正も見て取れる。
並々ならぬ作品へのこだわりは健在と見た。
さあ、これほどの才能と同時代を過ごせる幸せを味わおうではないか!