相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 [DVD]
相棒らしい重圧な脚本でもなく、
映画ならではの豪華さもなく、
どうも2時間サスペンスのような仕上がりで残念。
もちろん推理要素もおもしろいのですが、
連続殺人や巧妙なトリックや派手な事件性がなく、
なにより米沢さんの「相棒」が弱すぎます。
これならたとえば芹沢や伊丹や陣川くんを
上手く話に絡めて相棒にした方が良かったのでは?
とはいえ、こういうスピンオフ企画は面白いと思うので
いつか大河内監察官を主役にしてほしいなぁ・・・。
かもめ食堂 [DVD]
おしゃれなキッチンの佇まい、焼き立てのシナモンロールから始まり、トンカツ、ショウガ焼き、肉じゃが、そして、おにぎり、鮭の塩焼き、等々、シンプルな料理が実に美味しそう。そんな料理を作るシーンを観ている、ただそれだけで幸せな気分になってしまう...。
そもそも「フィンランドなら、何とかやっていけそうだと思った」という以上に、サチエが食堂をオープンしたいきさつは語られないし、ミドリが日本を飛び出してきた理由も分からない。ドラマティックな展開をあえて避けてる脚本なのですよ。つまり「野暮なことは聞かない」という姿勢がとても良い。オトナだね。(笑)
「やりたくないことはやらない」という姿勢も羨ましい。映画はそんなスローで暖かな映画の空気に包まれますが、「人はみんな変わっていくものですから」と、ちょっと辛味の利いたスパイスをふりかけるのも忘れない。話は全然違うものなのですが、なんか、「バクダッド・カフェ」を思い出してしまいました。
それにしても、何と言うことのないシーンで、ずいぶん笑わせてもらいましたし、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、それぞれの強烈な個性が生きている。絶妙の間がすばらしい。
エンドクレジットに流れる、井上陽水の「クレイジー・ラブ」がこれまた素晴らしい。この曲をもってくるセンスに脱帽。自由だけれど哀しく、もどかしいけれどちょっと希望がある。コメディな部分も含め、ゆったりした映画でした。
わたしのマトカ (幻冬舎文庫)
彼女の文章にハマり、
もぎりよ今夜も有難う
の次に読んだのがこの作品です。
かもめ食堂のロケでフィンランドに行った際の体験記のような
日記のような、そんな内容♪
着眼点が素晴らしいし、普通の女優さんではありえないような
行動力で、フィンランドを駆け巡った奮戦記(ちょっと違う?)
を楽しく読むことが出来ます。
ただの旅本と違い、彼女が体験した見たことが
変な脚色なしに書かれているので
本当に好感持てます。
サウナでの出来事などは、本当に眼に浮かぶようで
彼女は必死だったのでしょうが
笑ってしまいました♪
興味のある人は、とりあえず本屋で中身を覗いてみてください♪
数分後には、レジに並んでいると思いますよ♪
もぎりよ今夜も有難う
残念ながら内容そのものはたいしたことない。撮影で寄った地方の映画館の話と、自分がバイトしていた
銀座の映画館の話である。ただ、片桐がオードリー・ヘップバーンのファンであることがうなずけた。
ヘップバーンと言えば、あの愛らしさであるが、結構えらの張った顔であった。片桐はいりも同様に、え
らの張り方は格別である。彼女もそこに惚れたらしい。そんな愉快な話もある、拾い読みでも十分かもしれ
ない。話の内容がイマイチなので、辛口の星にした。
グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)
はいりさんの文章はとてもユニークですね。そして、感受性が豊かで、そのきもちの表現がすごく豊かです。
それと、冒頭にずいぶんとネタふりをして最後に抱腹絶倒にさせるオチの付け方も絶妙のセンスがあります。
長い間、疎遠になっていた一つ下の弟を中心としたほのぼのとしたグアテマラ滞在のお話です。
読み始めは、あっけらかんとしているようで書かれていますが、その背景に何かもの悲しいような感じが伝わってくるようです。
弟は大学院まで出たのに、なぜグアテマラなのか。なぜ年上で子連れの奥さんと暮らしているのか。
グアテマラに滞在しているうちに、そういったなぞが解けてきて、その地と人と空気にぞっこん・・・ハマッてしまったというものです。
住んでるところはそれぞれ離れていても、はいりさんも弟さんもとてもあたたかく家族思いです。
そのことがじんわりと伝わってくる本です。