バーバー:ヴァイオリン協奏曲
このCDを買ったのはブルッフが目当てだったのだが、やや期待外れだった。技術的にはかなりしっかり弾いているし音色も美しいが、フレーズの歌わせ方に音楽的な未熟さを感じる。第3楽章ではオーケストラが遠くで鳴っているようにも聞こえる。ミキシングに不満が残る。
しかし期待以上だったのがバーバーの協奏曲。CDを買った当時、バーバーという作曲者さえ知らず、また現代音楽だということでまったく期待しないで聴いたのだが、マイヤースの演奏は大変完成度が高い。曲そのものもロマンの香があふれる大変魅力的なもので、もっと広く演奏されてもよさそうな曲である。N響アワーで聴いた五○みどりの演奏よりもマイヤースの方が好きである。
バーバーでこれだけの優れた演奏ができるのなら、ブルッフの方も録り直しをしてでも完成度の高い演奏をして欲しかった。
