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異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)

津本 陽
おすすめ度:★★★★★
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人間 角栄
おすすめ度 ★★★★☆

一年の半分は豪雪のため雪に埋もれる生活をする新潟県二田村。そこで産声を上げた角栄は6人の姉妹に囲まれて育つ。幼少期より吃音に悩まされるものの、克服への努力は並大抵のものではない。高等小学校卒業後、土木仕事を始めたころから彼の運命はすごいスピードで好転する。
私の記憶の中の田中角栄といえば「まあこの~」と加藤茶が真似をしていたものが先ず浮かんでくる。次はロッキード事件の汚職政治家。
この本を読んで、彼について簡単には語れないな、という思いが強くなった。
人一倍の努力家であり、腰が低く、愛嬌がある。記憶力に優れ、約束は絶対に守る。
上巻は、田中角栄の生まれたときから、幼少期、土木作業員、軍隊生活、社長角栄そして政治家。「しだいにくろずんだ策略のくまどりを宿すようになって」小佐野賢治との関係が深くなっていくところまでです。



角栄小説の最高峰
おすすめ度 ★★★★☆

「コンプリート田中角栄」を期待しているなら、
恐らくこの作品では不十分。けれど、日本の政治史の
中で圧倒的な個性を発揮した一個人を描いた小説として
読むならば、その迫力に最後まで本から目を離せなくなる。

田中真紀子らがこの小説のドラマ化に異を唱えたというが、
角栄をけなしているような内容ではない。

怒濤の勢いで一時代を生ききった角栄の個性を著した筆力は圧巻。


小さき声を代弁する大きな声
おすすめ度 ★★★★★

この物語が単なる過去の記述としてではなく、現代の私達が生きる
世界に於いても意味を持つと思われるのは、田中角栄が表日本を
闊歩する政治家、実業家、官僚が重要視してこなかった裏日本の
怨嗟の声を拾い上げた政治家であったということにあります。
日本の面積の約1/2が豪雪地帯と言われる中、寒村に作る無雪道路が

どれほど有り難いものであるか、どれほどの命を救いうるか肌で
理解し、実現する能力を持った政治家。コスト計算だけでは計れない
人間の喜びや悲しみをすくい上げる"人間的"な資質が重要であると
思われる時代に、考えさせられることの多い書となっています。
今の日本にも、豪雪地帯だけでなく多くの声なき者、小さき声の者と

いうのはいるはずなのですから・・・。また一方で、ロッキード
事件などの現代に繋がる政治腐敗の元凶にもなったということも
忘れてはいけないのですが。



戦後の政治史における田中角栄とは何か
おすすめ度 ★★★★★

雪深い北陸の寒村に、貧しい家畜商の子として生まれ、住み込みの小僧から総理にまで登りつめた田中角栄。首相と言えば東大卒・高級官僚出身という常識を破り、高等小学校しか出ていない角栄は、「今太閤」と呼ばれ、就任当時の支持率は史上最高だった。ところがロッキード事件が発覚するや、金権・腐敗政治の代名詞となる。ロッキード裁判は、贈賄側のアメリカの罪を問わず、その言い分だけを証拠にするというアンフェアなところがあり、米国をさしおいて中国やアラブ産油国に急接近した田中政権への米国側からの圧力との説もささやかれた。当時の資料を駆使し、政治史における角栄の意味を問い直す好著。



数ある角栄論をうまくまとめた
おすすめ度 ★★★☆☆

数ある角栄論をうまくまとめてはいるものの、著者自身の独自の視点に欠け、面白みがない。角栄の元秘書、早坂茂三の本の方が読ませる。角栄に関する概要を手早く知るとともに、角栄に関するどのような参考文献があるかを知るための手がかりには有効かもしれない。



大変良く出来ています。
おすすめ度 ★★★★★

出来は非常に良いです。値段の割には上出来。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。


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