人間というものは、結局誰一人として、自分のことを真実として語れる者はいない。多かれ少なかれ、自分のことを語る場合には誤魔化し、偽りが含まれている。自分の都合の良いように解釈し、そのように自分に言い聞かせ、納得している。また自分を誤魔化して、それで他人に受け入れられれば、結果オーライである。人間社会というものは、そのように成り立っている。ある意味、人間というものは、そんな悲しい存在なのである。人間が、自分自身の存在を含めて、物事を解釈しようとすれば、絶対的なものは無くなる。全てが相対的評価なのである。しかし、必ず真実は一つなはずである。愚かな人間は、よって永遠に真実を知ることはできない。
おそらく、この作品が映画である以上、ビジュアルな面は客観的にいくらでも評価できるだろうが、その本質に流れる「人間の愚かさ」的なところを解釈できる人は少ないであろう。
人間を買い被るな!自分や自分の周りの奴らを見てみろ!おすすめ度
★★★★★
人間の本質を分かり易く、見せつけてくれる作品です。
森の中で妻を連れた武士が盗賊に出逢います。
そして その後 その武士は死体で発見されます。
この事実に関して、
巫女の言葉も借りて当事者三人と目撃者がそれぞれ全く違う証言をします。
人間が持つ卑怯さ、ずるさ、見栄、身勝手さをヴィジュアル的に訴えてきます。
羅生門の下で下人(上田吉二郎)が辛口コメントをズッバ!と言います。
卑怯で身勝手でプライドだけは人一倍高い僕は、非常に共感でき、身につまされる作品です。
人間を買い被るな!
自分を見てみろ! 自分の周りにいる奴らを見てみろ!
「人間は地球の皮膚病なり」 ニーチェ
雨。おすすめ度
★★★★★
朽ちかけた壮大な羅生門に 容赦無く降り付ける豪雨。
この映画を観る度 自分自身の汚れきった心の垢を この映画の豪雨が削ぎ落として行くような不思議な心地にとらわれる。
観る度に 心をニュートラルポジションに戻してくれる 強力な薬のような映画。
こんな素晴らしい映画を創られた黒澤明と同じ日本人として生まれて来た事を 誇りに思わせてくれる 荘厳かつ芳醇な 世界遺産のような映画。
地球人必見。
まさに夢のコラボです。
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。ファンなら買って間違いなく損のない品ですね。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。