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+ 波打ち際の蛍 +

波打ち際の蛍

島本 理生
おすすめ度:★★★★★
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ゆっくりゆっくりの恋愛
おすすめ度 ★★★☆☆

丁寧に丁寧に、繊細な壊れやすいものをいたわるように描かれている。
久々に島本さんらしい透明感のある作品を書いてくれたように思います。
気持ちは間違いなく惹かれあっているのに、体と過去がそれを受け付けられない。
近づきたいのに、近づけない・・・二人のもどかしさが手に取るように伝わります。

でも主人公の麻由が恋する蛍って、麻由の心が溶けていくのをゆっくりと待ってくれる優しい男なんだろうけど私はなんか信用できない。
すごく大人な男として描きたいんだろうけどそうは見えないっていうか、
「ナラタージュ」の時にも感じた島本さんの“男性の描き方が甘い”という弱点がここでもでてきちゃったように感じる。

麻友を元カレから救った従兄弟のさとる君と、揚げ物が大好きな紗衣子さんがすごーくいいキャラで素敵です。
さとる君がいい男すぎるから余計に蛍がかすんで見えるような・・。



それでもあきらめない
おすすめ度 ★★★★★

こんなに痛い恋愛小説を読んだのは、はじめてかもしれない。読みながら何度も涙がこぼれた。それは自分が主人公と同じように恋愛でキズを負っているからかもしれない。
暴力をふるわれても、そこはわたしのいる場所で、そこにしか自分の居場所がないと、そこで愛されていると思い込む。しかし暴力をふるわれているうちに、自分というものが希薄になってしまう。暴力で愛を測るというシーソーゲームを放棄してしまった時、敗北感という無情な虚無感を味わうのだと、飛び降りた勢いで、こころもからだも投げ出されてキズを負うのだと思う。
キズを舐めながら、それでも愛することをあきらめない主人公に救われる。そして、蛍のような人に愛される幸せをわかっていることに、今、そしてこれからの希望を感じる。
同じ恋愛なんてそして傷つかない恋愛なんてひとつもないということを、肌で感じさせてくれるくれる物語だ。



買うしかない!
おすすめ度 ★★★★★

出来は非常に良いです。値段の割には上出来。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。


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