人との関係ってなんだろうと考えさせられますおすすめ度
★★★★☆
夫婦の関係をはじめ恋人、友だちとの関係ってなんだろうとふと考えさせられた。長年の付き合いに別れを告げ離婚した後も良い関係の男女。そうかと思うとふと日常のありきたりなさに物足りずに別の男性と関係を持ってしまう女性。そして、長い間好きな人はいつつもヒモのような男性と同棲し結婚を決める女性等…。*好きだから結婚するともまた違う。安心さを求めるためなのだろうか?でも、それでいてありきたりなマンネリな生活に決別をしたいと思う時もある。そして、どこか空虚な人との関係…。難しい…。
やりのこした青春の最後の悪あがきの先には??
おすすめ度 ★★★★☆
大学でともに青春の日々をすごした5人の男女。
若かった皆も、もう34歳。同じだけ年を取っている。
うちひと組の男女の離婚パーティーから物語は始まる。
浮気な夫・正道と、学生時代から振り回されていた妻の裕美子。
ライターとして成功しつつある充留。彼女とは逆に、
1度は小説家として成功したはずなのに今はくすぶる宇田男。
そして学生時代から地味だったけれど今は専業主婦として落ち着いている麻美。
5人の34歳の春から翌年の春までの1年と少しの間を描いた物語。
このごろブームのアラフォーもの、より一世代若い、いわゆる氷河期ジュニア世代の
人たちが主人公のお話。つまり、おそらく、それなりに大学受験や就職などで
もまれ、いろいろなことに妥協して生きてきたはずの彼ら。それゆえであろうか?
それとも、どの世代でも共通なのだろうか。ちょっと疲れてるのだろうか?
もしも二十歳に今戻ったら、と考える彼ら。それはまっぴらごめんと言いつつ
やりのこした青春の尻尾、みたいなものに振り回されて、最後の自分探し、を
必死でしてしまうその姿は、時にはこっけいで、時には哀れで、時にはたくましく
凛々しい。
殺人事件も派手な色恋沙汰もないですが、本物の「ドラマ」があるな、と
どんどんのめりこんでいきました。
個人的に、文章がところどころ(やけっぱちな気分を表現するため、とかの
わざとの演出なんでしょうけれども)荒っぽかったりするところがあったので
星はひとつ減らしてよっつにしました。