惑星(紙ジャケット仕様)
冨田勲のシンセサイザーミュージックに初めて出会ったのは、最初、アメリカRCAが発売し、あちらではトリップ・ミュージックとして人気が高く、遅まきながら日本のRCAも発売した「月の光-ドビュッシーのピアノ作品集」でした。オリジナルはピアノ1台のために作曲されたものなので、シンセサイザー(当時は、単音しか出なかった巨大なコンピューター然としたもの)のテクスチャーに感激しました。中には、人の声を真似した「う~あ~」という音を入れるセンスに??と思いました(それが、残念ながら後の作品の欠点に繋がってしまうのだが)が、「月の光」は、まるで静かな水面に月のしずくが落ちるようなイメージで、大大感動!しかし、オーケストラ作品に挑戦したのは不味かった。さすがの冨田先生も、脱線してしまい、期待外れ、陳腐な作品に成ってしまった。このCDを聴いた後、ホルストの原曲のオーケストラ録音を聴いてみましょう。オーケストラ演奏の方が、聴き手の想像を駆り立てて、素晴らしく思えるはずです。私もクラシック入門は若きズビン・メータ指揮の「惑星」でした。その後CDでボールト盤や、デュトワ、バーンスタイン、マゼールなど10枚以上ありますが、冨田盤は、残念ながら負けています。どうせなら、もっとひねって「2001年宇宙の旅」のような、サイケデリックなアレンジにしても良かったのでは?
惜しい1枚です。表現が具象化されてしまい、聴き手の想像力にまかせてもよかったのではないでしょうか。
ホルスト:惑星(冥王星付き)
ベルリンフィル×ラトルはやはりすごい。
壮大な銀河の只中にこの身を置いているような気持ちになれる。
冥王星つきなのが面白い。
格下げになっちゃった記念に、クラシックファンならおさえておくべきだと思う。