ポセイドン・アドベンチャー2 [DVD]
「スウォーム」(DVD化熱望!)で既に自分の経歴にミソを付けてしまっていたアーウィン・アレンが名誉挽回とばかりに取り組んだのが本作。
この人、次作の「世界崩壊の序曲」(これまたDVD化熱望!!)でも醜態を曝け出しており、元々監督としての手腕は無かったと思われるのだが。
通常ヒット作の続編は映画用のオリジナル・ストーリーである事が多いが、本作にはれっきとしたポール・ギャリコの原作(「海底の怒り」と言うタイトルらしい)が存在している。
但し、その原作をそっくりそのまま映画化した訳ではなく(原作では前作の生き残りが乗車した列車が惨事に巻き込まれるらしい)
結果的には殆どオリジナルな内容になっているのが笑える。
前作を観た洋画ファンの99%までが本作を駄作・愚作・凡作と評価しておられるようだが、ミーハーな私はそこまでこき下ろす気は無く
テリー・サヴァラスとその一味が全身白装束を纏って、船底の上で何やらポーズを取っているシーン辺りから意外や意外と引き込まれてしまった。
嵐の影響で積荷を失ったタグボート、ジェニー号の船長マイク・ターナー(マイケル・ケイン)は船が抵当に入っている為、どうしても金を工面しないといけない。
友人のウィルバー(カール・マルデン)と彼を酒場の喧嘩から助けてやったセレステ(サリー・フィールド)とともに沿岸警備隊のヘリコプターが飛んでいるのを見つけたマイク。
近くに沈没船があると思ったマイクは船内に残ったお宝をくすねれば、タグボートを失わずに済むと考え、ヘリが飛んできた方向に航行し、ポセイドン号の船底を発見した。
そこへスベヴォ(テリー・サヴァラス)をリーダーとした男たちが乗ったアイリーン号が近づいてくる。
スベヴォは医者で医療救護の為にやって来たのだと言う。
マイクはマイクで『俺たちの邪魔をしないで欲しい』と究極の火事場泥棒?である事をスベヴォに告げ、2組のグループが其々の思惑を抱きながら船内へと向かうのであった。
ドッカンドッカンと海底で爆音を轟かせている今にも水没してしまいそうな船に乗り込んでいくこと自体、度胸があると言うか分別が無いと言うか
過去の色々なパニック・ムーヴィーの中でもこんな無謀な連中を描いた作品は無いでしょう。
で、色々と危険な目に遭う2組のグループと言いたいのですが、前作と違い、さして危うい局面に晒される事はありません。
最も危険なシーンとなると2組のグループが軽機関銃で銃撃戦をおっぱじめるところでしょうか。
船内に乗り込んだ連中(途中で合流した連中も含め)の内5人が船内で命を落とすのですが
4人までは殺されるんですから、この時点でパニック・ムーヴィーとしての本筋から外れてしまっていると言わざるを得ません。
ラストも呆気な過ぎて口あんぐりとしてしまいます。
特典映像の「撮影の舞台裏」を観ましたが、出演者の殆どがインタビューでアーウィン・アレンを『素晴らしい演出家だ』と褒めちぎります。
『おいおい本気で言ってるのかよ』と疑いたくなりますね。
ポセイドン・アドベンチャー【字幕版】 [VHS]
ひどいと思っていたジャケットの絵だが,紙パッケージを取るとあらあら別のジャケットが。
俄然作品の雰囲気と合う劇中のポセイドン号がさかさになったスチールがジャケになってる。
もしやレビューでの批判に対する配慮?とか思ってしまったがいかがだろう。
さて特典ギッシリ入った「タワーリングインフェルノ」が廉価版が出てるので,こちらも特典は結構入ってるが正直あちらの方が
お得感では上だ。こちらもきっとすぐに変な絵の紙パッケージを抜いて後はそのまんまで廉価版に移行するんだろうなぁ。
と、苦笑いしつつ本編を観たがかなりビックリ。
ありきたりな表現だがとにかく画像が綺麗!色彩が洪水!
少年時代からテレビ放送含め少なくとも10回は観た作品だが今まで観たのと同じ「ポセイドン〜」と思えぬ程なんだか全然違う!
というかこの作品こんなに色鮮やかだったっけ。テレビ放映以来もVHSやDVDでも観たはずなのだが
記憶では転覆した客船の暗い船内で物語が進行するので薄暗い背景とか基調だったイメージだったが,色彩に関して言えば
全編が色鮮やかでゴージャス。
金かかったセットもまぁ細部までよく見えること見えること。
改めてこの映画のセットの精密さに感心。上下逆さになった船内は見れば見るほど見事に作り込まれてて痛々しい破壊部分とか
これまでよりリアル度50パー増し。
さらにCGない時代なのでそこにあるもの,やってること,映っているものがすべてなので普通アラとか見えちゃう筈なんだけど
今回の高画質で半端じゃないスタントとか危険な撮影がド迫力で目に飛び込んできてグレードの高さがまざまざと見れる。
(それでもどこか突っ込むならばポセイドン号のミニチュア度が高画質により上がった位か)
いやいや少年時代に初めて観た驚きと感動を再体験したといって過言ではない。
内容については宗教のことを含め人間の精神性の深い部分まで描き切り,日本映画のお涙頂戴演出過剰の救助隊映画がさらにしょーもなく思える
素晴らしいものだ。「今更な〜」なんて思ってる人いたらこの機に再見することをお勧めする。
ジーンハックマンの優しいようでかなり強引な牧師や逆に野獣のようで実は優しいボーグナインおじ様に男として感じ入り
シェリーウィンタースの水泳おばちゃんに得な役だなと思いつつ涙し
パメラスーマーチンの可愛さに萌え,女性陣の太腿は常にキッチリ写す脚フェチにはたまらないカメラに目を奪われる。
特典映像だが魅惑の女優陣を本編の高画質で堪能した後だけに特典で急に老けて出てくるので目が白黒した。
価格高いので星は1つ減じたが買う価値あり。おススめである。
セプテントリオン
天地が逆さまになった豪華客船から脱出する、まさに映画「ポセイドン・アドベンチャー」の世界。 沈みゆく船、転がる死体、容赦なく奪われる命。 緊張感はハンパじゃありません。 複数の主人公に、マルチエンディング。 たった60分のプレイ時間にさまざまなドラマが詰め込まれていて、何度でも遊びたくなる名作です。 Wiiで配信されないかなぁ…。