THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 09 萩原雪歩
もう一枚控えてますが、アイマスレギュラーメンバーの大トリを勤める一枚です。
とにかく、新曲の「Kosmos,Cosmos」が凄く上質なテクノポップに仕上がってます。
このジャンルはアイマス作曲陣の得意技だと思いますが、その期待のさらに上を行かれました。
心地のいいリズムと音色、ウィスパーボイスと、儚げなブレスにばっちり浸れますよ。
要素のすべてが、曲の持つ広大な空間、世界観を描き出しており、
その広い世界へパートナーと共に飛び出していく少女(雪歩)の心境と、可能性をも体現しており、
個人的にはこの一曲だけで星5つつけられます。
そこから「津軽海峡・冬景色」という逆ベクトルに一気に振って動揺させ、
雰囲気ジャストフィットの「好きになって、よかった」で落ち着いて聴かせ、という順番が巧みです。
原点であるFirst Stageを後に持ってくる構成もニクいですね。
「i」はある意味もっともアイドル曲してます。だからこそ、普段の雪歩とギャップが出る、というのも面白いのですが。
か細い印象のあったヴォーカルは、しっかりとトレーニングを積んだのでしょう、不安定さが随分なくなり、安心して聴いていられる様になりました。
それが「成長した雪歩」というように聴こえるのが良いです。
MASTER ARTISTのコンセプトは「ギャップ」のようですが、それを最も楽しめる一枚だと思います。
普段は気弱で卑屈な雪歩が、歌う時にはあんなに堂々と活き活きとするところに、凄くドキっとさせられるんですよね。
そういう意味でもトークパートがとても効果的でした。
こっちでは律子もしっかり突っ込み役として機能してましたしね。
余談になりますが、中の人こと落合女史はえらく苦労性の方ですが、表現者として絶対にそれは無駄にならないと思います。
あくまで個人的な印象ですが、この一枚で自分は「この人はやる!」と感じました。
口さがない人というのはいるものですが、是非是非これからもがんばってくださいませ。
阿久悠神話解体―歌謡曲の日本語
昭和を代表する作詞家・阿久悠の歌詞をほめたたえるのではなく、歌手や曲から全く切り離した「歌詞」そのものを分析する面白い切り口の力作。今まで地方紙の書評に何度か取り上げられていた本。
本書の総論は、Jポップ以前、昭和の歌謡曲、流行曲の歌詞論等で興味深い。
作詞家・阿久悠の人物論では「スター誕生」で誕生した新人たちの歌のほとんどを手掛けながらも、「百恵」の歌の歌詞だけ書かなかった事、作詞家としての転換期などが書かれている。
阿久悠の最大のコンプレックスが「ひばり」であり、「ひばり」を乗り越えるために「ひばり」とは全く異なる路線の歌の歌詞を書いていても、いつかは「ひばり」に歌を提供したいという願望が実現しなかった事、皮肉な事に「ひばり」の代表曲を秋元康にあっさりと作られてしまった件が面白い。このあたりは、参考文献からの引用も多いようだが、著者自身による解釈、分析も交えている。
特に、阿久悠作「時代おくれ」と秋元康作「川の流れのように」の分析には、深く考えさせられるものがあった。
各論において、阿久悠がつくった歌詞の個々を分析していくのだが、取り上げた全曲の歌詞が載っていない。
レコード・ジャケットの写真を載せるスペースがあるのだから、全ての歌詞を載せた方が分かりやすかったと思う。
取り上げて分析されていた歌詞は
「津軽海峡冬景色」「せんせい」「北の宿から」「舟唄」「雨の慕情「居酒屋」「嫁に来ないか」「ざんげの値打もない」「どうにもとまらない」「ペッパー警部」「勝手にしやがれ」「時のすぎゆくままに」「ジョニィへの伝言」「居酒屋」「五番街のマリーへ」「青春時代」「狼なんか怖くない」「熱き心に」etc
どの曲も私にとっては「歌詞だけを切り離して分析する」事は至難の業で、歌のタイトルを目にしただけで、イントロ、メロディー、歌っている歌手の声・表情・衣装・思い出までが蘇ってきてしまう。
歌詞だけを一字一句とりあげて細かく分析していく事は、悪くいえば、揚げ足取り、難癖、いちゃもんになりかねない。
各論を読み始めた当初は、斜にかまえて読んだというのが本音だが、本書における分析は読みこんでいくうちに、まっとうな分析で、真面目な歌詞論であることに気付いた。
補論として、「阿久悠には書けない歌詞 プレイバックpart2」「阿久悠のようには書けない歌詞 キセキ」が面白い。
欲を言えば、同じ昭和を代表する作詞家で最大のライバル、なかにし礼や松本隆の歌詞との比較論があればよかったと思う。
その点と 新刊の価格設定を減点して、辛口の総合★3・5にとどめた。
巻末は「阿久悠代表作一覧」が掲載されている。
デュラララ!! 3 【完全生産限定版】 [DVD]
・特典小説は「みんななかよし4月」
学生らしく爽やかでおばかな青春話。帝人と正臣の掛け合いなかなか面白い。
アニメ未登場(DVD3巻時点で)のあのキャラ達も沢山出張っております。
・本編は5話「羊頭狗肉」、6話「東奔西走」の二本立て。
個人的にどちらも好きな内容だったので、それだけで満足でした。
特に6話のカズターノ事件はデュラアニメ屈指の面白さだと思います!
オリジナル話ですが、原作のドタバタした愉快な群集劇を見事に再現しています。
ワゴン組のメンバー(特に渡草w)のキャラ付けが非常に良く、原作では見られない彼らの雄姿を拝めて良かったです。
吉森さんの奏でる怪しげな音楽がより一層テンションを上げてくれます!笑
・オーディオコメンタリーは<中村悠一×梶 裕貴×高垣彩陽×寺島拓篤>
この4人のトークは面白かったです。仲良しぶりが見事に伝わってきました。
・カバーソング「津軽海峡・冬景色」<平和島静雄>
歌は良かったです。ネタに走らず見事に歌い上げてくれました。
ただこういう特典は需要層がかなり限られていますから、あまり好きにはなれません。
毎度ながら買って損の無い本編、特典盛り沢山!
気になっている方も是非手にとってご覧になって下さい
石川さゆり ベスト&ベスト 津軽海峡・冬景色~天城越え
つい最近、BSでコンサートが放映されているのを見てすごく素敵だと思い購入しましたが、CDの歌声はあまりに若すぎて別人かと思うほどでした。
悪くは全然ないですけど、今度は最近の歌声を収めた物が欲しいです。