差別と暴力は絶え間なく憎しみを生む おすすめ度
★★★★☆
差別ほど軽率で愚かな行為は無い。ましてやそこに暴力が伴えば、もはや人間性などは介在するわけもない。差別と暴力は、する側にとっては楽だ。やっている本人だけがうまい汁を味わえる特徴を持つ。
楽すぎるだけあって差別や暴力を遂行する側を改心させるのには多大な努力と犠牲を伴う。ありがちな過ちは暴力に暴力で対抗すること。
「殴ったら殴り返す」
暴力は一番簡単な方法だが、それはあらたな憎悪を有無に過ぎず、何の解決もできないばかりか、「誰が悪いか」をとう原初説に陥るだけだ。だから、かなしいかな自分の尻ぬぐいもできない奴らのために、人類は多数の人名を犠牲にしてきた。
ガンジーは、打ちのめされた人々と共に無暴力という「答え」を突きつけた。強い意志という力を得たガンジーは、人間そのものと戦いながら、多くの支持者を得ていく。
この映画は多難なガンジーの存在とその歴史について理解することができるものだ。ただガンジーの思考や行動は思った以上に奥が深い。そういう意味では映画としての見所は少なく、歴史の教科書のような印象をうけるのは否めない。
ガンジーと間違えられたベン・キングズレーおすすめ度
★★★★★
これは、僕が大学を卒業した頃に劇場公開されたものですが、マハトマ・ガンジーの行き方に一種の憧憬を感じたことが思い出されます。
監督のリチャード・アッテンボローは、社会派監督ですが、「インド独立の父」ガンジーの青年時代から暗殺までを描くことで、アカデミー賞作品賞を受賞しました。
ガンジーはインドの元首相と思われている方が多いのですが、初代首相はネルー。60年台にネルーの娘のインディラ・ガンジーや孫のラージーブ・ガンジーが首相をしていたこともあり、ガンジー自身が首相だったようなイメージを持たれんでしょうね。
この映画でのエキストラは30万人を超えていたといいますが、主演のベン・キングズレーを見た時、容姿が余りにもガンジーに似ていたことで、インドの人々は驚いたそうです。ガンジーと生き写しの彼は、仕草まで研究したとのこと。
社会派俳優キャンディス・バーゲンも共演していますが、一層映画の重みを感じますね。長く語り継がれ、必見の価値がある作品です。
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
まさに夢のコラボです
。値段の割には上出来。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
非暴力主義を唱え、インドをイギリス支配から独立へと導いたマハトマ・ガンジー(ベン・キングスレー)の生涯を描いたスペクタクル伝記映画。イギリス映画界の巨匠であるとともに反戦反骨の映画人としても知られるヒューマニスト、リチャード・アッテンボロー監督宿願の映画化であるが、イギリス人である彼がガンジーに最大級の賛辞を捧げながら演出にあたっているところが興味深い。広大なインドの大地を惜しまずとらえた映像の素晴らしさや、米英の名優たちを適材適所に配したキャスティング、そしてラヴィ・シャンカールの民族色豊かな音楽など、どこから切っても超一級品の傑作。アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚本、編集、美術・装置、衣裳デザインの7部門を受賞。(的田也寸志)