日本史クイズ

The 連打

+ 雨月物語 +

雨月物語

溝口健二
おすすめ度:★★★★★
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幽玄の美、戦乱の中の男の迷いと女の苦しさ・健気さを鮮やかに描いた巨匠の最高傑作
おすすめ度 ★★★★★

ゴダール監督が好きな監督を3人挙げよ、と問われて「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えた有名なエピソードがある。本作はその巨匠溝口監督の最高作と私が考える1953年の作品。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した、日本映画史に燦然と輝く大傑作。日本の白黒映画でこんなに美しい作品はない。俳優は大変だろうが、溝口流長回しが画面をひきしめ、視聴者を引き付ける効果は絶大。長回しの間のカメラの移動、フレームに出入りする俳優の場所を計算した均整のとれた構図、光の明滅と影の綾なす様、それらをパンフォーカスで一瞬のぶれもなく画面のすみずみまで捉えた、撮影・宮川一夫を初めとする溝口組の技量に目を見張る。源十郎(森雅之)が荒れた自宅に帰るも無人なので一旦外に出て再び家に入ったときに亡霊の妻・宮木(田中絹代)が囲炉裏で仕事をしているのを見つける1カットはマジックだ。朽木屋敷での幽玄の美も農村の庶民の苦しい生活も鮮やかに撮影され、かつ品格がある。録音状態もよく、字幕は不要。

本作は全九編の情緒ある怪異小説・雨月物語から蛇性の淫、浅茅の宿の二編を脚色している。戦の続く戦国時代の2組の夫婦の話で、どちらの夫も欲(金銭、立身出世)に迷い、源十郎にいたっては幽霊・若狭に誘惑される。正体を見破られた若狭の表情の変化は女の業の強さが印象付けられる名演技だ。残された妻子は、戦の中悲惨な運命をたどる。が、何れも目が覚めた夫を妻は受け入れる。特に宮木はあの世からさ迷い出て夫との再会を果たし、その後も夫を暖かく見守り続けるのだから何とも切ない。ばかな男と健気な女性(若狭を含めて)の話で、オープニング・タイトルで女性3人を配役の先頭に持ってきたのは監督の女性観の表れか?

最後に、本作も著作権切れの作品。廉価盤の登場はそのため。



雰囲気、たたずまいの映画
おすすめ度 ★★★★★

人生とは、幸福とは、夫婦とは、教訓めいたものも感じられます。
それに関しては、時代、世代、その人の歩んだ人生、その人の今の状況で賛否があると思います。

しかし、朽木屋敷のたたずまい、そこに住む若狭(京マチ子)の表情、語り口、仕草、振る舞い、そして、源十郎(森雅之)が朽木屋敷から国の家へ戻り、囲炉裏端で鍋の用意をしている妻の宮木(田中絹代)と会話を交わすシーンは文句無しに凄いです。


雰囲気、たたずまいの映画だと思います。



話と画面の強さとは
おすすめ度 ★★★★★

 この映画を見ていると 本当に溜息が出てくる。今の邦画はこんな映画を作ることはできないに違いないと思ってしまって。

 とにかく美しい映画だ。その美しさは 単なる映像美には終わらず 原作を踏まえた不気味さに満ちている。
 雨月物語という怪異譚を扱った いわばホラー映画であると乱暴に言いきってしまうことも出来るわけだが そんな分類分けの意味も感じさせないほどの格調である。

 海外で溝口という名前が名高いのもよくわかる。実際 この頃のクロサワやミゾグチの映画は どの国の人が見ても 面白いに違いないと思う。それは単なる日本趣味にはとどまらない普遍性を獲得しているからだ。邦画にそんな時代があったことを誇りに思う一方 今の日本には かような人材がいないような気がしてならない。

 映画というものは変わった。SFXに代表される 今の映画の撮影技術の進歩はすさまじい。但し 技術に溺れて 小手先で終わっている映画が実に多いと思う。これは邦画だけではなく 特にハリウッドの作品に強く感じる。
 要は 脚本が練られておらず 弱い脚本を強い画面で補っているにすぎないと思うのだ。それに比べると 本作は 脚本も画面も本当に強い。この強靭さを愛でると共に 現代の映像作家にも 同様の才気を求めてしまうのだ。



美しい、美しい、美しい。
おすすめ度 ★★★★★

物の怪が町を徘徊するような、文学的平安時代の雰囲気を見事に捉えた美しい作品。テーマはずばり、愛、です。この監督はフランスで人気があるが、フィルムノワールのジャポネズムがあり、文学的だからだろうと思う。最後のシーンは特に物悲しく、感動する。不倫をしている男には、やや堪えるのではないでしょうか。とにかく不思議で美しいので御覧あれ。傑作の1つです。




もう創れない美しい映画
おすすめ度 ★★★★★

 溝口健二の作品には独特の品格があるように思います。彼の性格によるのでしょうが、時代背景も影響しているのかもしれません。この映画も上品な芸術を観た後に感じる清涼感があります。現在もこれからも創れない映画のような気がします。
 京マチ子の亡霊が後退りしながら消えてゆくシーンも流れるような美しさがあります。
 こういう作品を観ると、名作というのは観客動員数(つまり興行収益)ばかりを気にする風潮の下では生まれないとつくづく感じます。



凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★

全般的に言うと初心者向けだと思います 。出来は今更ながら言うまでもなく素晴らしい。
ホント満点を付けても良い出来です。


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