破格にみえて、紛れもなく「新本格」の精神の体現おすすめ度
★★★★★
ミステリマニアは、まずタイトルの『黒い仏』から、
「どうやらこれはクロフツのもじりで、アリバイ崩しがテーマなのだな」
とあたりをつけると思います。
おそらく、そのレベルの読者が、最も鮮やかに著者の
仕掛けたミスディレクションに引っかかったはずです。
本作の名探偵は、たしかにアリバイトリックを解明するのですが、
その裏側では、まったく別の「論理」にもとづいた秘儀が行われていて……。
本作では、特権的な〈名探偵〉という存在を相対化するため、
他ジャンルの「文法」が持ち込まれているのですが、決して、
著者が恣意的にやりたい放題にやっているわけではありません。
周到に伏線を張り巡らし、必要な手続きを踏まえることで、
異なる論理体系をシームレスに接合することに成功しています。
「遊び」をする時ほど、真剣さが必要ということでしょうね。
僕は好きだな。おすすめ度
★★★★★
前作の『美濃牛』からの探偵石動シリーズ。
今作の『黒い仏』は本格ミステリーとは言いづらく、意外な展開から賛否両論の作品である。僕は謎解き抜きとしても作品のふいんきや石動と助手アントニオのやり取りなど楽しめたので星5つ。前作が本格派だった為に同じ探偵の話しでこの展開は否の意見を良く聞くが殊能将之は書こうと思えば本格ミステリーをもっと書けると思う。
殊能ファンの僕としては、この作品を見て殊能将之の小説からはなれないでほしいと思います。
何気なく手にとって読んだ人は幸せおすすめ度
★★★★★
カバー裏に書いてある通りです。
賛否両論、前代未聞、超絶技巧です。本気で。
レビュー読み進めるのはネタばれになって面白くないので、
さっさと読んだほうがより幸せになります。
主人公の名探偵と同じように。
すごすぎる
おすすめ度 ★★★☆☆
2001年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
石動シリーズの一冊。
こんなアホな作品があるのかとビックリした。途中からドンドン「あれ?」と思うような方向へ進み始めるのだが、結局、こんなラストに行き着くとは! 最後の一行が素敵だ。
ミステリとして真面目に読もうという人はガッカリするだろう。ホラー、バカミス好きの人におすすめ。